令和2年度鹿本医師会事業計画

住民と共に医療者の原点である市民の健康を守り、豊かで安心・安全な医療を提供するために、医道の高揚、医学及び医術の研鑽・発展、公衆衛生の向上を図り医療の推進に努めねばならない。
 令和2年度鹿本医師会事業計画の策定に当たっては、基本的に前年度を踏襲し策定した。
 昨年末に発生した新型コロナウイルス(Covid19)感染症の流行は、全世界に伝播しこれまでに類をみないスピードで瞬く間に全世界に拡大した。日々の診療に加え感染症の治療並びに感染拡大防止に向けた活動を積極的に支援し、医師を始め医療従事者を守らねばならない。
 現在、鹿本医師会・山鹿市・山鹿保健所が三位一体となり、お互いの負担を軽減・日常診療の不安を解消し、安心・安全を優先的に感染拡大防止に向けて取り組んでいくシステムを構築するべく共に努めている。

高齢化の進展に伴い、患者の疾病構造はますます多様化しており、一人ひとりがその状態に応じた良質かつ適切な医療・介護を効果的、効率的に安心して暮らせる体制を確立し、2040年を見据え、急激な医療・介護ニーズの変化・増加に対応するため医師がリーダーシップを発揮し、関係団体・多職種との連携、情報の共有に努め地域医療システムの構築を推進する。

看護学校は、地域医療・介護を支える准看護師の養成と看護師の地元就業の定着を図り、地域偏在の解消に努めねばならない。一昨年からの応募者の著明な減少は若年人口の減少兆候や景気の変動が原因とも考えられる。近隣の養成校、郡市医師会との連携を深め安定した運営が不可欠である。今後の動向を注視しプライマリケアや現場でより活躍できる人材を育成する。

福祉看護センターは、地域の在宅ケアの核心的な存在として医療・介護両面に亘って大きな役割を果たしている。在宅医療が変革する中で、効率的な運営かつ良質の在宅医療・介護サービスを提供する。また、居宅介護支援事業の充実・強化に努めていきたい。

熊本市の政令都市移行に際し、植木町在住会員の医師会移行問題については、鹿本医師会に在籍する意思決定がなされているものの、熊本市医師会は移行について鹿本医師会の考えと相違点が多々あるようである。鹿本医師会の立場を明確に表明していかねばならない。

会務の執行に当たっては、財政的には厳しい状況の中、経費の削減に努め、会員の付託に応えるべく、役職員一致団結して会務遂行に邁進する所存である。

会員各位のより一層のご支援とご協力をお願いします。

本年度の事業項目は、次の通りとした。

令和2年度事業計画
1 総務
1)総会、理事会、各種委員会の開催
2)定款および規約規程の整備後の検討
3)会館管理整備委員会の開催
4)会館および駐車場の維持運営、整備保安
5)労務管理の適正化推進
6)県医師会諸会議への出席
7)地域(自治体等)を支援する協議会等への参加
8)鹿本地域保健医療計画の検証並びに地域医療構想の検討、調整
9)三師会活動の推進

2 会計

(1)会計処理の適正化の推進
(2)会計システムの充実

3 厚生福祉

(1)会員の慶弔見舞表彰の実施
(2)県医師会が主催する各種大会への参加
(3)医師会親睦旅行・医師会親善ゴルフ大会の実施
(4)会員親睦のための各種行事開催への参加・賛助
(5)医療機関職員親睦レクリエーションの検討
(6)会員相互間の親睦を図るための懇談会等の開催

4 広報

(1)「鹿医ニュース」の発行
(2)ホームページの充実
(3)医療情報提供への取組み

5 学術(生涯教育推進事業)

(1)生涯教育委員会の開催
(2)学術講演会の開催
(3)定例勉強会の開催
  ・循環器懇話会・胸部疾患研究会・消化器疾患研究会
(4)山鹿植木小児救急地域医師研修会の開催
(5)医療安全研修会の開催
(6)熊本県医師会医学講座の共催
(7)認知症講演会の開催
(8)慢性疾患に係る各種セミナーの共催および後援
(9)自治体病院等講演会への共催
(10)各種医学会・研修会への参加・推進

6 公衆衛生向上

  ○地域保健

(1)保健衛生行政に対する協力
  定期予防接種 任意予防接種 乳幼児健診
  特定健診 国保特定健診二次検診 国保健康診査 後期高齢者健診
  健康増進事業
  (胃・大腸がん 乳がん・子宮頸がん 肺がん・肝炎ウィルス検診等)
(2)県北感染症審査協議会への参加
(3)感染症対策・新型コロナウイルス感染症対策事業
(4)第7次保健医療計画事業への参画
(5)鹿本地域保健医療推進協議会・同救急医療専門部会への参画
(6)休日在宅当番医制の実施
(7)山鹿鹿本地域メディカルコントロール協議会への参加
(8)救急医療体制の充実・強化
(9)災害時の医療提供体制、JMAT等への協力と支援
(10)熊本市救急災害医療協議会への参加
(11)地域スポーツ活動への協力(スポーツドクターの派遣)

  ○学校保健

(1)学校医活動の推進
(2)児童生徒・教職員の健診の実施
(3)学校保健会校医・保健主事・養護教諭合同研修会の開催
(4)児童生徒検尿判定業務・心臓検診・結核精密検査への協力
(5)小・中学校感染症診断書作成協力
(6)「生活管理指導表」活用への協力
(7)ピロリ菌除菌対策

  ○産業医

(1)産業医学講習会への参加
(2)日本医師会認定産業医講習会の開催
(3)菊池鹿本産業保健センター運営事業の推進

  ○地域医療連携

(1)鹿本圏域在宅医療・介護連携体制の強化
(2)地域包括ケアシステムの構築に向けた支援の検討・多職種連携の強化
(3)「地域在宅医療サポートセンター」の推進
(4)在宅医療三者会議の充実・推進
(5)糖尿病地域連携パスの普及啓発、研修会の開催
(6)山鹿市民医療センター・熊本市立植木病院
  ・その他開放型病院への連携推進
(7)鹿本地域在宅ネットワークの推進
(8)鹿本地域緩和ケア研究会への参画
(9)鹿本地域リハビリテーション連携推進への協力
(10)地域医療にかかわる各種連携活動の推進
(11)「くまもとメディカルネットワーク」の推進

  ○地域住民啓発活動

(1)在宅医療・介護の推進および訪問看護の啓発
(2)「救急の日」の行事・AED研修会の実施
(3)在宅医療・介護連携市民フォーラムの実施・協力 
(4)健康づくり・健康展等の実施・共催
(5)認知症になっても安心して暮らせるまちづくりフォーラムへの協力
(6)市民公開講座の開催・協力
(7)熊本県小児救急電話相談(♯8000)の推進

7 保険対策

 ○医療保険

(1)医療保険制度の円滑な運用
(2)保険診療の適正化に対する個別指導の立合い
(3)医療扶助適正化の推進および医療扶助連絡会議への参加
(4)麻薬免許申請の支援・麻薬管理者取扱者等の講習会への参加

 ○介護保険

(1)介護保険制度の円滑な運用実施に協力
(2)介護保険認定審査会への医師派遣
(3)主治医研修会の開催

 ○自立支援

(1)障害支援区分認定審査会への医師派遣
(2)鹿本地域療育ネットワーク会議への協力

8 准看護師養成

(1)運営委員会の開催
(2)准看護師養成の向上
(3)管理運営の適正化
(4)学則等の適正化の検討
(5)講師・実習指導者の会開催
(6)専任教員の育成・研修の強化 
(7)令和3年度第59回生生徒募集の実施
(8)会員医療機関への准看護師・看護師の就職支援
(9)鹿本菊池准看護学校連絡協議会の開催

 福祉看護センターの運営

(1)運営委員会の開催
(2)訪問看護サービス事業の充実・強化
(3)居宅介護支援事業の充実・強化
(4)訪問看護師および居宅介護支援専門員の育成
(5)各種協議会・研修会への参加協力

10 労働保険事務組合の運営

(1)医療機関従業員の雇用保険加入手続きおよび離職証明書の発行
(2)労働保険料の年度更新と保険料徴収および国庫金支払い

11 医務用紙販売・図書斡旋

12 会館および備品の賃貸